起業・創業で成功している人は、数ヵ月から半年、長い人で数年の準備をしています。
この準備期間中にセミナー参加・自己啓発などで知識や情報を蓄積し
起業創業の成功を目指して準備しています。
ただ起業資金までをしっかり準備できる人は少なく、不足資金を創業融資などに頼ることになります。
残念なことに、自己資金を貯金などで準備する以外、融資獲得の準備をしていません。
事前にどんなことを準備するのか知らない人がほとんどはないでしょうか。
実は事前準備が融資の可否に影響することは知られていません。
今回は起業融資獲得に必要な事前準備で誰でも簡単にできる3つの準備について説明します。
- 事前に自分の信用情報を確認する。
- 毎月開業資金を積み立てる。
- 借金を増やさず、減らす。
事前に自分の信用情報を確認する
日本金融公庫をはじめ多くの金融機関では起業融資の融資審査において個人情報機関に
延滞情報・事故情報の照会を行います。
この時に延滞や事故の履歴があれば融資を受けられない場合があります。
この延滞・事故情報のことをブラックリストにのると言われています。
起業融資の申請を予定しているなら事前に個人情報機関に
自分の情報を確認することをおススメします。
本人であれば開示請求が可能です。
以下の3つの個人情報機関を確認します。時間がかかる場合があるので
余裕をもって計画的に準備しましょう。
信用情報を確認する理由
事前に審査の可否が予想できる
いわゆるブラックリストにのっているような延滞・事故情報がある場合
融資審査は不承認(落ちる)になりますが理由は一切説明されません。
本人がなぜ融資審査に落ちたのかわからないことが多いのですが
過去に審査に影響するような情報が記録されていることが多くあります。(本人が忘れている場合が多い)
電話料金の不払いで引っかかる人は多くいます。
電話機本体が割賦払金として含まれていることに気づかず
延滞してしまうことがほとんどです。
事前に延滞・事故情報を知っていると自分なりに審査承認の難易度がわかるので
不承認の場合でも納得できると思います。
ブラックリストにのっている場合でも他の審査要素を
強化するなどの事前対策により承認率を高めることができます。
(創業計画書の内容をレベルアップする、自己資金を増やす、保証人や担保を準備する。)
延滞・事故情報の理由を説明できる
審査担当者が延滞・事故情報について質問してくることはありません。
照会情報を客観的に判断するだけなのでブラックリストにのっている場合はかなり不利になります。
この場合、こちらから実は過去にこういう延滞・事故がありましたと切り出し理由を説明します。
こちらから切り出すことによって理由内容にもよりますが印象は確実によくります。
不利な条件があるならばできるだけ自分にとって有利になるよう行動することが重要です。
延滞・事故情報が間違って記載されている
あなたが過去に取引した金融機関や信販会社などが取引履歴を入力するのですが
間違った情報が入力されることがあります。
ほとんどの人は個人情報機関に自分の情報を照会確認することはありません。
実際に個人情報が誤って記載されてしまい
住宅ローンやクレジットカード・割賦分割払いの審査が
全く通らなくなっていた人もいます。
その人は過去に延滞や事故が全くないのに審査に通らず
おかしいと思い、信用情報機関に自分の情報を照会して
間違いが発覚しました。
事前に個人情報を照会して情報が間違っている場合は訂正を依頼しましょう。
もし誤った情報が掲載され続けるようなことがあれば
起業融資の審査が承認されることは難しいので確認してください。
関連記事:創業融資で不安な人必見!ブラックリストでも公庫の審査を通過するコツ
毎月開業資金を積み立てる
起業融資の審査で重要視されるのが自己資金です。
創業・起業に実績のない状況で担当者が創業計画書の内容だけで
判断すのはなかなか難しいと思います。
そんな時効いてくるのが自己資金です。
やはり最後は信用力が強い現金ということになります。
ただ起業創業するときに自己資金を準備している人がとても少ない現実があります。
起業創業する側からすると不足する資金を融資で何とかしたいと思っていますが
融資する側からすると本来は自己資金で起業してもらいたいがなかなか難しいので
最低限度必要な資金を貸します。無駄に多くは貸しませんということです。
起業を決めたら、その準備期間のできるだけ早い段階で
預金の積み立てを開始することをおススメします。
多ければ多い方が融資審査には有利になるので、少額でもかまわないので始めましょう。
できるだけ自己資金をたくさん貯めるという目的もありますが
毎月計画的に事業用自己資金を積み立てるということで
融資審査の段階では非常に好印象になります。
自己資金の残高保有と早い段階から計画的に起業の準備をしているところが評価されます。
この積立は今日・明日起業する人には難しいことですが
1~2年先の起業を目指しているのならぜひ実施すべきです。
このコツコツと地道な行動が後の融資審査にプラスになります。
そしてこの行動は起業準備期間にしかできない大切な準備です。
関連記事:自己資金の3つ常識を知らなければ創業融資に成功することはできない!【創業起業予定者必見!】
借金を増やさず、減らす
せっかく貯めた自己資金も借金があれば相殺されてしまいます。
起業融資審査時の自己資金計算は下記のような計算で算定されることが
多いので参考にしてください。
自己資金=①-②
- ①創業しようとする者が事業に充当するために用意した次の1~6の合計額
- 残高が確認できる現預金
- 客観的に評価が可能な有価証券に一定の評価率を乗じたもの
- 敷金・入居保証金
- 資本金・出資金に充てる資金
- 融資申込前に導入した事業設備に用した金額(不動産を除く)
- その他の客観的に評価が可能な資産額(不動産を除く)
- ②次の1及び2の合計
- 残存返済期間が2年以上ある住宅ローン、設備資金等長期返済を前提とする借入金の年間返済予定額の2年分
- その他の借入金全額
起業・創業の準備期間ではできる限り借金を増やさず減らすようにします。
とても単純なことですが今すぐできるものではありません。
起業・創業準備期間中に計画的に実行しましょう。
まとめ
起業創業で独立開業するときに自己啓発などによりいろいろな準備をします。
また資金が不足する人は融資などの資金調達先を探したり、申請手続きや
創業計画書の書き方などの準備をしますが今回説明した3つの準備に関しては
残念ながらほとんど行われません。
地味な作業ではありますがコツコツと準備すれば融資審査には大変有効であると思います。
むしろ他の人が手を付けてない部分でもあるので融資担当者にはキラリと光る
アピールできると思います。
それほど負担になることではないのぜひ事前準備してみてください。