旅行会社や晴れ着のレンタル販売会社
の倒産などが社会問題としてニュースに
取り上げられたのは記憶に新しいところです。
個人・法人を問わずビジネスを
行うということは社会的責任が
大きいことをあらためて認識しました。
でもビジネスの世界では
倒産や廃業は日常的に起こります。
特別珍しい事ではありません。
夢をもって起業しても
淘汰されて夢を実現できるのは
非常に少ないという厳しい現実が
あります。
資金調達コンサルタントとして
多くの会社を支援してたくさんの
経営者と接する機会がありました。
残念なことに倒産・廃業・夜逃げ
してしまった社長さんもいます。
経営に失敗した会社には
ある共通点がありました。
そしていつも思うのが
もう少し早い段階で
あきらめれば手を打つことも
できたのにと思います。
がんばることにより
さらに傷口を広げて
しまうパターンが
ほとんどです。
では、なぜ頑張ってしまうのでしょうか?
それは会計・財務の数値を把握できない
理解していないということです。
簡単に言うと
決算書や財務諸表を
理解していないという
ことになります。
倒産した会社は
遅くとも6カ月前
早ければ1年以上も前に
どうにもならないことは
数値的にわかります。
ただそれを理解できない
経営者が売上をあげれば
どうにかなると突き進み
悲劇を引き起こします。
社長さんは言います。
もう少しお金のこと(財務)
勉強しておけばよかったよ。
会計事務所に任せていたので
細かいところは気にせず
何とかなると思っていたよ。
起業資金を獲得して
スタートアップしても失敗した会社の
共通点についてまとめてみました。
創業・起業から会計・財務の勉強をしていない
起業・創業するときに
会計・財務を勉強している人は
限りなく0%に近いと思います。
まずはどのように売上・利益を
あげるかという営業面を優先的に
すすめることになります。
会計・財務の知識がなくても
条件が揃えば創業融資が下りて
事業を開始することができます。
日本政策金融公庫の審査は
かなり甘いと思いますが
起業・創業者にはうれしい
ことです。
(実際にはもう少し借りられるのに
融資担当者にすべてお任せなのは
残念です。)
ここで会計・財務で
あまり苦労しないので
経営者が会計・財務を学ぶ機会は
ほぼなくなってしまいます。
会計事務所にすべて丸投げ
創業融資のときから関わることが
ありますが、ある程度の売上規模になると
会計事務所・税理士に会計を依頼します。
起業・創業者はわからないことを
なんでも教えてくれる専門家として
会計事務所の依存度が高まります。
会計・財務など丸投げして
営業や経営に専念できるので
経営者は楽です。
ここでも
会計・財務を勉強する
機会がなくなります。
税務調査や銀行交渉の時
社長さんはこういいます。
先生(税理士)にすべて会計・財務のことは
お任せしているので先生に聞いてください。
(私はわかりません)
利益が出ている間は
問題ありませんが
売上低迷で業績が悪化
したら何も手の打ちようが
ありません。
これが倒産の一つの
要因とも言えます。
業績悪化した時に
会計事務所が助けて
くれるかというと
そもそも事後的に会計経理
処理をしているので
現場で何が起こっているかなど
わかるわけがありません。
「数値が悪化しているので
現場でその原因を追究してください。」
社長お願いしますと
言われますが社長は
何をして良いかわからず
途方にくれます。
そして社長は気づきます。
売上を上げて利益を
増やせば何とかなる。
現実には売上をあげるスピード
より支払い・返済の圧力が強く
支払遅延が発生していくことに
なります。
ここで会計・財務の知識のある
経営者なら正常営業をあきらめて
会社再建に向けてソフトランディングを
模索しながら各債権者と調整に入ります。
会計・財務の知識のない経営者は
精神的に追い詰められつつ
倒産への道を突き進んでいきます。
利益=現金だと思っている
昔からよく言われる例えに
「勘定合って銭足らず」
という言葉があります。
いわゆる黒字倒産と言われものです。
なぜ黒字なのに倒産するのでしょうか?
理由は帳簿では黒字になっていても
手持ち現金がなく支払い不能となり
手形・小切手の決済を不渡りにして
しまうことがあるからです。
現金商売を除いて
売上代金回収には時間がかかりますが
仕入や経費の支払いが先行していきます。
手元資金をいかに
確保して管理するかが
重要になります。
- キャッシュフロー計算書
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 資金繰り表
などをしっかり理解していれば
黒字倒産に至らぬよう
早めの対応が可能になります。
ただ実際には
損益計算書の利益に
一喜一憂している経営者が
ほとんどです。
会計事務所から
財務諸表の説明があっても
なかなか理解されません。
損益計算書の利益を
があると安心している
経営者がほとんどです。
実際にはその利益が必ずしも
全額現金として残っていないことを
正しい会計・財務の知識をもって
理解できるようになることが
経営者として重要です。
借りれば何とかなると思っている
会計・財務の知識がないと
どうしても過去の経験により
判断する傾向が強くなります。
会計・財務による客観的な数値により
判断すれば事業継続の可否を
判断できできます。
経営者はここを頑張れば
どうにかなると思う人が
多くいます。
その様なマインドや
モチベーションも
大切ですが、大丈夫の
根拠はどこにあるのでしょうか。
あなたが大丈夫だと
思っているだけでは
ありませんか?
と言いたいのですが
実際に経営者は時間稼ぎに必要な
資金調達に奔走します。
もちろん金融機関ではすでに
借りられ状況ではないので
高利な融資を受け
借金を借金で返済する
自転車操業に陥いります。
この時点でほとんどの会社は
月次試算表(貸借対照表・損益計算書)
など作成されておらず専門家でも
会社の財務状況把握できません。
そして借金を膨らませて
ある日突然心が折れ
倒産・夜逃げということに
なります。
借金をしても
どうにもならない状況で
借金を重ねる経営者は
多いです。
少しでも会計・財務の
知識をもっていれば
違った選択もできたと
思います。
倒産したある社長の告白【起業資金があっても成功しない理由】のまとめ
起業創業するほとんどの人は
会計・財務を学ぶことなく
スタートアップします。
その後、順調に事業が推移して
経営が安定しても会計・財務を
学び直すことはありません。
(会計事務所に丸投げして納税金額を確認するだけ)
途中、業績が悪くなれば最悪
そこでゲームオーバーになります。
運よく資産を形成して
事業をリタイアする人も
少なからずいると思いますが
一見成功しているように見える
社長さんも実は会計・財務に
詳しい社長さんに比較すると
残した資産に大きな差があります。
成功している起業家や大富豪は
財務リテラシーとしてお金の
残し方をよく知っています。
会計士や税理士のように
専門的な知識は必要ありませんが
経営者として会計・財務の基本を
理解する程度の知識は身に付ける
ことをオススメします。
理想としては簿記3級程度の
知識は身に付けてもらいたいです。
創業融資を受けるときにも
会計・財務に詳しいと
審査の評価は上がります。
これから起業資金を獲得するために
創業融資を受ける予定がある人は
簡単な会計・財務の本を1冊程度
読んでおくといろいろな面で
プラスになると思います。
起業創業する人は
どこかで会計・財務の基本を
学んでおきましょう。